治療薬メトレレプチン

メトレレプチンとは

メトレレプチンの特徴

脂肪萎縮症では、脂肪細胞から分泌されるレプチンが著しく減少しています。メトレレプチンは、その減少したレプチンを補充することによって、脂肪萎縮症における糖代謝と脂質代謝を改善するお薬です。(メトレレプチンはレプチンと同じ作用を持つお薬です)

脂肪萎縮症(レプチン分泌が減る)

メトレプチン投与(レプチンの補充)

レプチンの作用

  • 食欲の抑制
  • インスリンの作用を高める など

糖代謝や高トリグリセリド
(中性脂肪)血症の改善

製品名
メトレレプチン皮下注用11.25mg「キエジ」
(一般名 メトレレプチン(遺伝子組換え))
剤形
メトレレプチンは注射剤です。
メトレレプチンは冷蔵庫に保管してください。

メトレレプチンの副作用

  • よくみられる副作用は、腫れ・痛み・かゆみ・発赤などの注射部位の反応です。
  • 重大な副作用として、蕁麻疹、全身性の発疹を含む過敏症があらわれることがあります。
  • 急性膵炎
    このおくすりを急に中止された患者さんで「急性膵炎」が起こることが報告されています。急性膵炎が起きる原因として、血中トリグリセリド(中性脂肪)の急激な上昇があげられます。
    もともと高トリグリセリド(中性脂肪)血症があったり過去に膵炎になったことがある患者さんでは、特に注意が必要です。ご自身の判断で、このおくすりを中止しないでください。
    激しい腹痛が見られる場合には、急性膵炎の発症の可能性がありますので、すぐに医師にご相談ください。
    急性膵炎の症状
    • 激しい腹痛(みぞおちから背部に強い持続痛)
    • 吐き気
    • 腹部膨満感
    • 発熱   など
  • 低血糖
    糖尿病治療薬を一緒に使う必要のある患者さんで、副作用として「低血糖」が起こる可能性があります。
    低血糖の症状
    • 激しい空腹感
    • だるさ
    • 冷や汗
    • 手足のふるえ
    • 顔面蒼白
    • 動悸(脈が速くなる)
    • めまい
    • 失神
    • 頭痛など

    低血糖の症状を疑ったら、すぐにブドウ糖(10g)や砂糖(20g)をとるようにしてください。そのために、ブドウ糖や砂糖やそれらを含む飲食物を持ち歩き、いつでもどこでもとれるように準備してください。また、すぐに医師やかかりつけの薬局にご相談ください。

    注意

    α-グルコシダーゼ阻害薬(アカルボース、ボグリボース、ミグリトール)をのんでいる場合には砂糖を食べても効きません。それはこれらの薬剤が砂糖の消化や吸収を遅らせてしまうからです。必ずブドウ糖を10gとってください。携帯用のブドウ糖についてやその他何かわからないことがあれば医師にご相談ください。